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ペットと暮らす家の珪藻土。知っておきたいデメリットと、上手な付き合い方。

ペットと暮らす家の床材を考えるとき、ペットの足腰への負担や無垢フローリングにつくのこと、あるいは掃除のしやすさなどが気になり、壁の素材までなかなか考えが及ばないかもしれません。それでも、住まい全体の空気感や心地よさを考え始めると、壁材の選択肢として「珪藻土(けいそうど)」という自然素材が浮かび上がってくることがあります。

調湿性や消臭効果が期待される珪藻土は、一見するとペットと暮らす家にとって魅力的に映ります。しかし、実際に採用を考えるときには、その特性をよく理解し、私たちの暮らしに本当に合うのかをゆっくり考えてみることが大切です。

この記事では、大きな正解を提示するのではなく、珪藻土という素材と向き合う上での小さな気づきを共有します。

  • 珪藻土が持つ基本的な性質
  • ペットと暮らす家で考えられるデメリット
  • デメリットを知った上で、上手に付き合うための考え方

そもそも珪藻土とは。ペットと暮らす家で注目される理由

珪藻土は、太古の植物性プランクトン(藻)が化石になった土を原料とする、自然素材の塗り壁材です。目に見えないほどの小さな孔(あな)がたくさん開いている「多孔質(たこうしつ)」という構造が、その大きな特徴とされています。

この無数の孔が、まるでスポンジのように湿気を吸ったり吐いたりすることで、室内の湿度を穏やかに調整する「調湿性」を発揮すると言われています。また、同じ構造によって、気になるニオイの成分を吸着する「消臭性」も期待されています。

  • 室内の湿度を快適に保ちやすい
  • ペットのいる空間のニオイを和らげる可能性がある
  • 化学物質を含まない自然素材であることの安心感

こうした理由から、犬や猫と暮らす家の壁材として、珪藻土が候補に挙がることがあります。特に、日本の夏のように湿気が多い季節や、冬の乾燥が気になるときに、その調湿性が暮らしの快適さにつながるかもしれません。

ペットと暮らす家における珪藻土のデメリット

魅力的な特徴がある一方で、珪藻土をペットのいる住まいに取り入れる際には、知っておきたい側面もあります。特に、犬や猫たちの習性や行動を考えると、いくつか注意が必要な点が見えてきます。

傷がつきやすく、粉が落ちることがある

珪藻土の壁は、一般的なビニールクロスに比べると表面が柔らかく、物が強く当たると削れたり傷がついたりしやすい性質があります。

例えば、猫が爪をといだり、犬が体を壁にこすりつけたりすると、表面がポロポロと崩れてしまう可能性があります。落ちた粉をペットが吸い込んだり、舐めてしまったりすることへの懸念も生まれます。もちろん、素材そのものは自然由来ですが、日常的に粉が舞う環境は避けたいものです。

汚れが染み込みやすく、掃除が難しい

多孔質という構造は、湿気だけでなく液体の汚れも吸い込みやすいという側面を持っています。ペットの粗相(そそう)や嘔吐物などが壁にかかってしまった場合、汚れがシミとしてのこりやすいのです。

また、珪藻土の壁は基本的に水拭きができません。水をかけると、汚れと一緒に水分を吸い込んでしまい、シミが広がったり、カビの原因になったりすることもあります。軽い汚れであれば消しゴムでこすったり、表面をサンドペーパーで薄く削ったりといった手入れ方法がありますが、手間がかかることは否めません。ペット床材選びで後悔しないように考えるのと同じくらい、壁のお手入れについても想像してみることが大切です。

ひび割れ(クラック)の可能性

これは珪藻土に限らず塗り壁全般に言えることですが、建物のわずかな揺れや、下地の木材の収縮などによって、表面に細いひび割れ(クラック)が生じることがあります。性能に大きな影響を与えるものではないとされていますが、見た目が気になってしまうかもしれません。

(補足)アスベスト(石綿)について

過去に、一部の安価な珪藻土製品にアスベストが含まれていたことが問題視されました。現在、国内で流通している信頼できるメーカーの製品は、法令に準拠して製造されているのが一般的です。採用を検討する際には、メーカーの公式サイトなどで安全性を確認しておくと、より安心できるでしょう。 ※出典:厚生労働省「石綿(アスベスト)問題への取組」

デメリットを知った上での、珪藻土との上手な付き合い方

こうしたデメリットを知ると、珪藻土は選択肢から外れてしまうのでしょうか。私たちは、そうとは限らないと考えています。大切なのは、素材の特性を理解した上で、暮らし方に合わせて「使い方」を工夫することです。

使う「場所」や「高さ」を考える

もし、傷や汚れが心配なのであれば、ペットが直接触れる機会が少ない場所に珪藻土を使うという考え方があります。

例えば、壁全体に使うのではなく、腰から上の高さにだけ塗るという方法です。ペットの体や爪が当たりやすい腰から下の部分は、傷に強い板材などで保護する「腰壁」という設えもあります。

また、リビングのようなペットが主に過ごす空間は避け、寝室や書斎、あるいは天井だけといったように、場所を限定して採用するのも一つの手です。

メンテナンス方法を事前に知っておく

採用を決める前に、施工を依頼する会社にメンテナンスの方法を詳しく聞いておくことも大切です。 「もしこんな汚れがついたら、どうすればいいですか」「小さな傷の補修は自分たちでできますか」といった具体的な質問をしてみることで、実際に暮らした後のイメージが湧きやすくなります。補修用の材料を少しだけ分けてもらえるか、確認してみるのもよいかもしれません。

機能への期待値を調整する

調湿や消臭といった機能は魅力的ですが、その効果の感じ方には個人差があり、住まいの環境によっても変わります。珪藻土だけに頼るのではなく、あくまで空気を整える補助的な役割と捉え、基本となる換気や、必要に応じた除湿機・空気清浄機の使用と組み合わせるのが現実的です。

珪藻土以外の選択肢と、床材とのバランス

いろいろ考えてみた結果、私たちの暮らしには珪藻土は合わないかもしれない、と感じることもあるでしょう。その場合は、また別の選択肢に目を向けてみれば大丈夫です。

例えば、同じ塗り壁でも漆喰(しっくい)は、珪藻土よりは硬く、表面がすべすべしているのが特徴です。また、ペットの引っ掻き傷に強い、あるいは汚れが拭き取りやすいといった機能を持つペット対応のビニールクロスもたくさんあります。汚れたら自分たちで塗り直せる**塗装(ペイント)**も、メンテナンスしやすい選択肢の一つです。

壁材を選ぶとき、私たちはつい壁のことだけを考えてしまいがちですが、床材とのバランスもとても重要です。例えば、滑りやすい床は、ペットが足を踏ん張れずに壁にぶつかってしまう原因にもなります。滑らない床へのリフォームを考えることは、壁をきれいに保つことにもつながっていくのです。

何を選ぶか、という点だけでなく、住まい全体をどのように整えていくかという視点を持つことが、ペットとの暮らしをより豊かにしてくれるのかもしれません。 ペットと暮らす家のための、床材えらびの考え方。 についても、もしよろしければご覧ください。

まとめ:小さな気づきを重ねて、私たちだけの住まいを

珪藻土は、自然素材ならではの風合いや、穏やかな調湿・消臭といった魅力を持つ素材です。その一方で、傷や汚れへの配慮が必要な、少しデリケートな一面も持ち合わせています。

ペットと暮らす家づくりにおいて、「これが唯一の正解」というものはありません。素材のメリットとデメリットの両方をきちんと知り、私たちの暮らし方やペットの性格、そしてお手入れにかけられる時間などを正直に見つめながら、一つひとつ選択していく。その過程そのものが、愛犬や愛猫との住まいを整えていくということなのだと、私たちは考えています。

急がず、比べず、一軒ずつ。 その小さな気づきの積み重ねが、きっと私たちだけの心地よい空間をつくってくれるはずです。


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