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ウッドデッキの素材を、ペットの足もとから考える
— 天然木・人工木、それぞれのメリットとデメリット

ペットと暮らす家の、足もとを考える。
ペット家庭のウッドデッキに必要なこと
ウッドデッキは、犬や猫にとって「もうひとつの部屋」になります。室内から続くフラットな床があれば、日向ぼっこや、ちょっとした運動の場になる。雨の日に外へ出なくても、風を感じられる。
ただし、ペットが使うウッドデッキには、人間だけの暮らしとは違う視点が必要です。
肉球の安全。犬も猫も、素足でデッキの上を歩きます。数年後にささくれやトゲが出る素材は、肉球を傷つけるおそれがあります。
夏場の表面温度。真夏の直射日光を受けたデッキは、素材によって表面温度が大きく変わります。肉球はやけどしやすい部位です。
舐めても大丈夫か。犬は床を舐めます。防腐剤や薬剤が溶け出す素材は、長期的な健康リスクになり得ます。
長く持つこと。ウッドデッキは一度施工したら簡単にやり直せません。10年、20年と使えるかどうかは、最初の素材選びで決まります。
この4つの条件を軸に、素材を比較します。
天然木の選択肢
いずれも「薬剤に頼わずに耐久性を高めた天然木」です。
サーモウッド(紀州材ヒノキ / 杉)
高温の水蒸気で木材を熱処理する、フィンランド発祥の技術。国内では和歌山県の山一製材が、越井木材工業と共同開発した紀州材サーモウッドがあります(山一製材 公式サイトによる)。
メリット。薬剤を使わない製法です(同上)。国産材(紀州のヒノキ・杉)を使える。ヒノキ特有の香りが心地よい。軽量で加工しやすく、施工性に優れる。3つの天然木の中で最も価格が手に届きやすい。
公式サイト(引用元):山一製材
デメリット。熱処理で木材内部の水分と糖分が抜けるため、通常の木材より脆くなるとされています。ビスを打つ際に割れやすく、数年後にささくれが出やすい傾向があります。構造材(大引き・束柱)には別の木材を組み合わせるのが一般的です。屋外で紫外線を受けると1〜2年でシルバーグレーに退色します。
エステックウッド(窒素加熱処理材)
水蒸気ではなく窒素ガスを使って高温加熱する、日本生まれの特許技術。総代理店は江間忠木材。
メリット。メーカー公表データによると、断熱性能が高く、真夏の直射日光を浴びてもデッキが熱くなりにくいとされています。ペットや小さなお子さんが夏場に素足で歩く場面でも安心感があります。防腐・防蟻効果が高く、メーカー試験データでは20年以上の耐久性が確認されているとのことです(江間忠木材 公式サイトによる)。薬剤は使用していないとされています。
公式サイト(引用元):江間忠木材
デメリット。流通量がまだ限られており、入手に時間がかかる場合があります。サーモウッドと同様に熱処理木材であるため、経年でのグレー化は避けられません。
エコアコールウッド(保存処理木材)
国産の杉に、安全性に配慮した樹脂を浸透させ、熱を加えて木材の細胞内で固定した素材。製造は九州木材工業。
メリット。メーカー公表情報によると、割れやひび、ささくれが出にくい設計です。数年経っても触れて気持ちいい自然な質感が続きやすい点が特徴です。厳島神社や皇居外苑のベンチへの採用実績があるとされています(九州木材工業 公式サイトによる)。成分が雨で溶け出しにくい設計のため、ペットや小さなお子さんのいるご家庭にも配慮された素材です。
公式サイト(引用元):九州木材工業
デメリット。3つの天然木の中で初期コストが最も高い。供給元が限られるため、地域によっては調達に時間がかかる場合があります。
人工木(樹脂木)という選択肢
天然木の風合いは魅力ですが、ペットと暮らす家では人工木が向いている場合もあります。
ペット目線のメリット
- ささくれが出ない → 肉球を傷めにくい
- 粗相しても水で洗い流せる → お手入れが楽
- 腐りにくい → シロアリの心配も少ない
- 塗り直し不要 → メンテナンスの手間が少ない
ペット目線の注意点
- 夏場の表面温度:天然木より高くなりやすく、肉球のやけどに注意が必要です。テラス屋根やオーニングで日陰をつくると軽減できます。
- 滑りやすさ:天然木に比べると滑りやすい製品もあります。木目加工(凹凸あり)の製品を選ぶと滑りにくくなります。
素材のこと、暮らしのこと、気軽にお話しください。一緒に考えます。
※ 本記事の各素材の性能に関する記述は、各メーカーの公式サイトおよび公表資料に基づいています。実際の性能は施工環境・使用条件によって異なる場合があります。
気になることがあれば、お気軽にどうぞ。