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猫と暮らす家の床材選び
— 犬とは違う、猫ならではの視点

私たちはリノベーション会社で、動物の専門家ではありません。 ただ、ペットと暮らす家の素材選びを考えるなかで、メーカーの情報や素材の特性をもとに調べたことをここにまとめました。
犬の問題は「滑る」。猫の問題は「着地」と「爪」。
ペットと暮らす家の床材というと「滑りにくい床」がまず話題になる。 でもそれは主に犬の話。 猫と暮らす家では、考えるべきポイントが少し違う。
犬は爪が常に出ている。だからフローリングの上をカチカチ音を立てて歩き、走ると足が横に流れる。 猫は爪を出し入れできるので、普段は肉球のグリップで歩く。犬ほどは滑らない。
では猫に床材の問題がないかというと、そうではない。 猫には猫の、別の問題がある。
猫の床材で考えるべき3つのこと
1. 着地の衝撃
猫は高いところが好きで、キャットタワーや家具の上から日常的に飛び降りる。

高いところから飛び降りたとき、着地の衝撃は手首や足首の関節にかかる。 毎日これを繰り返していると、年齢とともに関節への負担が蓄積していくと言われている。 特に体重が重い猫や高齢の猫は、着地の衝撃が大きくなりやすい。
硬いフローリングに毎日着地し続けるのと、衝撃を吸収できる床材に着地するのとでは、長い目で見たときの負担が変わってくる。
だから猫の床材では「衝撃吸収性」が大事になる。 犬の床材選びではあまり語られないポイント。
2. 爪とぎによる傷
猫は爪とぎを本能的に行う。縄張りの主張と爪のお手入れが目的なので、しつけでやめさせることは難しい。
一番やられやすいのは壁と柱。壁紙はすぐにビリビリになるし、柱の角も好んで研がれる。
床はどうかというと、「ボロボロになる」というよりは「無数の細かい傷がつく」。 特にやわらかい木(パイン、スギ、ヒノキなどの針葉樹系)は傷が入りやすい。 硬い木(オーク、チーク、ウォールナットなどの広葉樹系)なら傷は入りにくくなるが、ゼロにはならない。
また、猫は走ったりジャンプしたりするときに一時的に爪が出る。 高齢の猫は爪が出しっぱなしになりやすく、子猫は筋肉が未発達で爪の制御がまだうまくできないことがある。 こうした猫は、歩くだけでも床に爪の跡がつくことがある。
3. 粗相と嘔吐の染み込み
猫はよく吐く。毛づくろいで飲み込んだ毛を定期的に吐き出すのは生理的な行動で、健康な猫でも起こる。 犬に比べて嘔吐の頻度が高い傾向がある。
また、去勢・避妊をしていない猫は、トイレ以外の場所でおしっこをすることもある。
無垢材のフローリングに嘔吐物やおしっこが染み込むと、シミになり、臭いも残りやすい。 「水分が染み込みにくいか」は、猫と暮らす家の床材選びでは大事な判断基準になる。
猫に向いている床材、向いていない床材
クッションフロア — 猫との相性がいい
クッションフロアは、衝撃吸収性が高く、滑りにくく、粗相や嘔吐もさっと拭き取れる。 爪が引っかかりにくいので、カーペットのように爪を痛めるリスクも低い。
ただし、薄いクッションフロアでは衝撃吸収が十分でない場合もあるので、厚みのある製品を選ぶほうがよいとされている。
「見た目がフローリングに比べると安っぽい」という声もあるが、木目調でリアルな質感の製品もある。
ペット対応フローリング — バランス型
大手メーカーがペット対応のフローリングを出している。 傷がつきにくい特殊コーティングや、滑り配慮塗装、耐アンモニア性能などを備えた製品がある。
フローリングの風合いを保ちつつペット対応もしたい場合に選択肢になる。 ただし、衝撃吸収性はクッションフロアほど高くないことが多いので、キャットタワーの下など着地が集中する場所には、部分的にマットを敷くのも一つの方法。
床材の詳しい一覧は床材一覧もご覧ください。
無垢フローリング — 猫と暮らすには注意が多い
木の温もりや経年変化の味わいが魅力の無垢材だが、猫と暮らす家では注意が必要。
やわらかい針葉樹系(パイン、スギ、ヒノキ)は傷がつきやすい。 嘔吐物やおしっこの水分も染み込みやすく、シミや臭いの原因になることがある。 部分的に補修しやすいという利点はあるが、日常的に傷と汚れが蓄積していく前提で考えたほうがいい。
硬い広葉樹系(オーク、チーク、ウォールナット)なら傷は入りにくくなるが、価格も高くなる。
無垢材にこだわりたい場合は、ペット用のフロアコーティングを施すことで、傷と汚れへの耐性を上げるという方法もある。
カーペット — 種類によっては注意が必要
やわらかく衝撃吸収性は高いが、猫との相性は種類による。
ループタイプ(毛先が輪になっているもの)は、猫の爪が引っかかりやすい。 カットタイプ(毛先が切りっぱなしのもの)なら引っかかりにくいが、嘔吐物や粗相の掃除が大変で、臭いも吸着しやすい。
キャットタワーの着地点だけに部分的に敷くのは有効だが、全面カーペットは掃除の手間を考えると現実的ではないことが多い。
犬と猫を両方飼っている場合
犬は「滑りにくさ」、猫は「衝撃吸収」と「傷つきにくさ」。 両方を1つの床材で満たすのは簡単ではない。
現実的な方法は、大手メーカーのペット対応フローリングをベースにしつつ、猫の着地ポイント(キャットタワーの下、棚の下など)にだけクッション性のあるマットを敷くこと。
犬も猫も、それぞれの動きに合わせて「場所ごとに対策を変える」という考え方が、無理なく暮らすコツかもしれない。
私たちの考え方
Pono.House は、所沢のリノベーション会社です。
猫の床材選びには、いろいろな考え方があります。 衝撃吸収を優先してクッションフロアを選ぶ家もあれば、風合いを大事にして無垢材とマットを組み合わせる家もある。 床の一部だけをペット対応素材に切り替えるという方法もあります。
どれが正解かは、猫の年齢や性格、お住まいの環境、暮らし方によって変わります。 カタログから選ぶだけではなく、うちの子と暮らしに合わせて一緒に考える。それが私たちの仕事です。
ちなみに、私もペットと暮らしています。 ペットと暮らす家のことは、自分ごとでもあります。
素材のこと、暮らしのこと、気軽にお話しください。
Questions
- 猫に向いている床材はどれですか?
- クッションフロアは衝撃吸収性が高く、滑りにくく、粗相や嘔吐もさっと拭き取れるため、猫との相性がよい素材です。フローリングの風合いを残したい場合は、ペット対応フローリングも選択肢になります。
- 猫の爪で床に傷がつきにくい素材は?
- 硬い広葉樹系(オーク・チーク・ウォールナット)は傷が入りにくい傾向があります。やわらかい針葉樹系(パイン・スギ・ヒノキ)は傷がつきやすい素材です。ペット対応の特殊コーティング製品も傷がつきにくい選択肢です。
- 犬と猫を両方飼っている場合の床材は?
- ペット対応フローリングをベースにしつつ、猫の着地ポイント(キャットタワーの下など)にクッション性のあるマットを部分的に敷く方法が現実的です。場所ごとに対策を変える考え方が有効です。
気になることがあれば、お気軽にどうぞ。